【絵本】与えすぎ?子どもが大好きな質の高い絵本を一緒に読もう

絵本 与えすぎ 絵本
わが家の絵本の本棚
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絵本をたくさん子どもに読ませてあげたいけれど、「絵本を与えすぎたらどうしよう?」と思っている方もいるかもしれませんね。でも、心に残る素敵な絵本なら、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。

大切なのは、たくさんの絵本を読むことよりも、心に響く質の高い絵本を選んで、それをこれからの子どもたちへと大切につなげていくことです。質のいい絵本を未来に伝えることは、子どもたちだけでなく、大人の心も豊かにしてくれるのです。

この記事では、「絵本 与えすぎ?」と考えている方に、どんな絵本を選んだらいいか、そして、その絵本をどうやって子どもたちの未来へと渡していけばいいか、ぜひいっしょに考えてみましょう。

この記事のポイント
1. 「絵本を与えすぎる」という心配よりも、絵本の質が重要
2. 質の高い絵本を選ぶには
3. 質の高い絵本を未来の子どもたちにどのように継承していくか
4. 絵本を通じて子どもだけでなく大人も心豊かに生きよう

質の高い絵本に「与えすぎ」はない

☑ 私と絵本の出会いと再会
☑ 質の高い絵本とはなにか?
☑ 子どもが本を読む条件とは
☑ まずはこの絵本から読みはじめましょう
☑ 子どもたちの身近に質の高い絵本を

絵本は、子どもたちと一緒に無限の冒険と発見の世界に飛び込む鍵です。一緒に読む絵本に「与えすぎ」や「多すぎる」ということはありません。大事なのは、質の高い絵本を選ぶことです。

筆者と絵本の出会いと再会

筆者は、自分の子どもが幼いころから一緒に絵本を楽しんできました。はじめは「読んであげる」「読み聞かせをする」でしたが、いつしか自分が楽しんでいました。それは、手にする絵本が質の高い絵本ばかりだったからかもしれません。

筆者自身はとくに本好きな子どもではありませんでしたが(どちらかというと漫画好き)、小学校2年のときに学級文庫にあったひとまねこざる』(H.A.レイ作)がとても面白かったことを、絵本の最初の記憶として鮮明におぼえています。のちに大人になって、『ひとまねこざる』と再会することになります。

ひとまねこざる
出典:amazon『ひとまねこざる』

再会のきっかけは、季刊『子どもと本』一般財団法人 子ども文庫の会)〔※以下、「子どもと本」〕でした。妻が友人に教えられて『子どもと本』を知り、その中に紹介されていた「子どもが好きな本のリスト」に沿って、一冊ずつ入手していった中に『ひとまねこざる』があったのです。

ひとまねこざる」は、好奇心旺盛なおさるのジョージが動物園から脱走し、人間社会で様々な冒険を繰り広げる物語です。ジョージはレストランで皿洗いをしたり、高いビルの窓を掃除したりと、次々に仕事を変わりながらも、その度にトラブルを起こします。しかし、その純粋な好奇心と愛らしさで周囲を魅了し、最終的には映画スターとしての新たな道を歩み始めます。
この絵本は、子どもたちに夢と冒険の大切さを教えてくれると同時に、大人たちには純粋な心を思い出させてくれる作品です。H.A.レイによる愛らしいイラストと、光吉夏弥による温かみのある翻訳が、物語に深みと色彩を加えています。おさるのジョージの魅力が詰まったこの絵本は、世代を超えて愛され続けています。

【ひとまねこざる】好奇心をくすぐる 絵本のあらすじとキャラクターを紹介!

質の高い絵本とはなにか?

結論を言いますと、『子どもと本』で紹介されている絵本が、本サイトでこれから紹介していく「質の高い絵本」です。

それらを一冊ずつ手に入れて読んできて、気がつくと、わが家の本棚はほとんど『子どもと本』で紹介されている絵本が並んでいます。蔵書数は数えたことがありません。とても数えきれない、と言った方がいいでしょう。引っ越しのとき、一番多かったのがこれらの絵本をはじめとした「本」でした(笑)。

これから順を追って、読者の皆さんにも「質の高い本」をたくさん紹介していきたいと思います。ほとんどがわが家の本棚にある本ですよ!

かず
かず

ここで季刊『子どもと本』の第1号の巻頭に書かれている言葉を紹介します。

大人になっても、いつでも子どものころの心に戻って絵本を楽しめると、私は思います。

《前略》
子どもの本を読む、といっても、いったいどこから入ればよいのか、そこが「子ども主体」の世界であるため、大人には大きな戸惑いがあります。子ども時代は何でもなく読んでいたのに、とは思うのですが、大人になって入り直すのは容易なことではありませんでした。

しかし幸にも、私どもは非常にすぐれた入門書に出会いました。

アメリカのメイ・ヒル・アーバスノット著「子どもと本(Children and Books)一九六四年版」です。 もっとも初歩の基本的な手引き書として申し分ないものでした。 この本を読んで初めて、私どもは系統的に子どもの本を読むための具体的な道を発見しました。 絵本、わらべうた、詩、民話、神話、叙事詩、ファンタジー、その他の創作といった順序で、すでに評価の定まった本を一さつずつ読むほかないことが、よくわかりました。そして一さつずつ読んできて、「子ども主体」と思っていた世界が、実は「人間同志」の世界であることに気がつきました。子どもと大人の間に、大人が考えるような区別はなく、もし両者の間に差があるとすれば子どもの感得力は大人のそれを遙かに越えているのに対し、大人は実体験が多いということでしょう。そして本を通して知った生きることの美しさと、真実と、楽しさとを、お隣さんに語りたくなって、この小誌をつくりました。

「子どもと本」は別にして、この世界で私たちの案内役は、子どもをおいてありません。ですから大人は、いつも謙虚に子どもたちと向き合い、子どもから学べばよいのです。
《後略》

引用元:季刊「子どもと本」第一号(子ども文庫の会)1980年4月30日
「はじめに~子どもの本を読んで」

大人も絵本を楽しむ

実際に絵本を読むことは、大人にとっても新たな発見と楽しみの源泉となります。とくに質の高い絵本の中には、生きることの美しさや真実、さまざまな楽しみが詰まっており、これらは年齢を超えて共有できる価値があります。

絵本は、人間の基本的な感情や価値観を伝えます。これから本サイトで紹介していく質の高い絵本に触れることで、子どもの頃に感じた楽しさをあらためて発見してください。

質の高い絵本を子どもと一緒に楽しむことは、子どもと大人の間の架け橋となります。まるで、共通の趣味をもつ仲の良い友だちのようです。

わが家では、子どもが小さかったころ、ドライブの車中で家族それぞれが「絵本クイズ」を出し合い、答えを競ってよく楽しんでいました。

子どものころのように、心をまっさらにして

大人は子どもと比べて長く生きている分、知識の量は多いです。でも、だからと言って、子どもたちよりえらいわけでも何でもありません。

大人は、過去に得た知識、経験や社会常識・社会通念といったものにとらわれて、かえって素直に絵本を楽しめないといったことになりがちです。それは、もったいないことですね。

すべてがはじめての出会いだった幼いころの自分にかえって、心をまっさらにして絵本を手にしてみてはいかがですか?

絵本の魅力を子どもといっしょに分かち合い、生きる楽しさや真実を再発見しましょう。質の高いすぐれた絵本は、すべての人にとっての宝物であり、共有する喜びは計り知れないものがあります。

子どもが本を読む条件とは

では、ただ質の高い絵本をとりそろえていたら、あとは自然に子どもは本を読むようになっていくのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。絵本をそろえると同時に、できればかなえたい子どもが本を読む条件が「子どもと本」第一号に記載されていますので、ご紹介します。

リストの前に…子どもが本を読む条件

《前略》

しかし考えてみると、子どもがその力のままに本を選び、その本の中にある限りの楽しさ、美しさを心ゆくまで吸収できるためには、そのための條件が揃っていなくてはならないのです。

第一に、子どもの手の届く所に、子どもの期待を満たすほど内容の充実した本ができるだけ数多くあること。

第二に、子どものまわりにいる大人が、子どもの力を信じ、子どもの個性を尊重する大人であること。

第三に、愛情をこめて本を読んでくれる大人が身近にいること。

私たちは、この三つこそ、子どもが本と幸せに出会い、本に向かって、また未来に向かってその力を自由に伸ばしていくための最低の條件だと考えています。

《後略》

引用元:季刊「子どもと本」第一号(子ども文庫の会)1980年4月30日
最初に出会う絵本から~子どもの好きな本のリスト

まずはこの絵本から読みはじめましょう

絵本と子どもの出会いは、想像力の扉を開く鍵となります。

季刊『子どもと本』第一号で紹介された絵本は、その最初の一歩を踏み出すためのとても参考となる選書です。

これらの絵本は、子どもたちの心に響き、読書の楽しさを教えてくれる宝物のような存在。親子で共有する時間を豊かにし、子どもたちの豊かな感性を育むために、そして自分も子どもに返って絵本の世界を楽しむために、ぜひ手に取ってみてください。

『子どもと本』第一号で紹介された絵本

それでは、ご紹介します。

季刊『子どもと本』第一号
出典:わが家の本棚「季刊 子どもと本 第一号」

季刊『子どもと本』は、1980年の創刊以来、子どもたちの読書体験を豊かにするための深い洞察と情報を提供し続けている季刊誌です。年4回(1月、4月、7月、10月末)の発行で、2024年1月31日現在、第176号まで発行されています。
この季刊誌は、子どもたちに適した本の選び方、読書の楽しみ方を探求し、子どもと大人の間に本質的な区別がないこと、そして本を通じて生きることの美しさや真実を共有することの重要性を伝えています。『子どもと本』は、子どもの好きな本のリストをはじめ、質の高い読書体験を提供するための実践的なアドバイスや、家庭や学校での読書活動に関する記事を掲載しています。
40年以上にわたり、読者に信頼される内容を提供し続けており、すべてのバックナンバーが保管されていることも、その信頼の証です。
参照元:一般財団法人 子ども文庫の会 ホームページ

うさこちゃんの絵本
うさこちゃんの絵本
出典:わが家の本棚

「うさこちゃんのえほん」シリーズは、ディック・ブルーナによって生み出された、世界中で愛される絵本のシリーズです。このシリーズは、シンプルでありながらも鮮やかな色彩と、愛らしいキャラクターのうさこちゃんが特徴です。うさこちゃんは、子どもたちの日常生活に寄り添うような物語で、幼い読者たちに親しみやすい内容が展開されます。

ディック・ブルーナのアートワークは、その明快さと洗練されたデザインで知られています。彼の描くうさこちゃんは、丸い目と大きな耳が特徴的で、子どもたちはもちろん、大人もその魅力に引き込まれます。物語の中では、うさこちゃんが日々遭遇する小さな冒険や、家族や友達との関係を通じて、友情や愛情、そして新しい発見について教えてくれます。

「うさこちゃんのえほん」シリーズは、幼児期の子どもたちにとって最初の絵本として最適です。シリーズには、うさこちゃんがお医者さんに行く話や、お買い物をする話など、子どもたちが日常で経験しうるシチュエーションが描かれています。これらの物語は、子どもたちにとって身近な体験を反映しており、読み聞かせることで親子のコミュニケーションを深めるきっかけにもなります。

また、このシリーズは、子どもたちの言語能力や視覚的認識を育むのに役立ちます。シンプルな文と鮮やかなイラストは、子どもたちの想像力を刺激し、物語を通じて新しい言葉を学ぶ楽しさを提供します。ディック・ブルーナの作品は、子どもたちにとって読書の喜びを教え、創造力を育む貴重な資源となっています。

世界中で愛され続ける「うさこちゃんのえほん」シリーズは、その普遍的な魅力で、今後も多くの子どもたちにとって大切な絵本となるでしょう。ディック・ブルーナの創造したうさこちゃんの世界は、子どもたちにとって安心できる場所であり、新しい発見と冒険が待っています。

ちいさなうさこちゃん
ちいさなうさこちゃん
出典:わが家の本棚
書名ちいさなうさこちゃん
発刊福音館書店
発刊年1964年6月1日
ディック・ブルーナ
ディック・ブルーナ
石井 桃子

「ちいさなうさこちゃん」は、ディック・ブルーナによるブルーナの絵本シリーズの中でも特に心温まる作品です。この絵本は、うさこちゃんとその家族、そして友達との日常を描いた物語で、幼い子どもたちに日々の小さな発見や喜びを教えてくれます。

ディック・ブルーナの作品は、そのシンプルでありながら表現豊かなイラストが特徴で、この「ちいさなうさこちゃん」も例外ではありません。鮮やかな色彩と、直線と曲線を使った明快なデザインで、うさこちゃんの世界が繊細に描かれています。ブルーナのイラストは、子どもたちの想像力を刺激し、物語に深く没入させる力があります。

物語の中で、うさこちゃんは日常の中でさまざまな冒険を経験します。家族との時間、友達との遊び、自然の中での発見など、子どもたちが共感できるテーマが満載です。これらの体験を通じて、うさこちゃんは周りの世界について学び、成長していきます。子どもたちはうさこちゃんの物語を通して、友情、家族の愛、そして自分自身と向き合う大切さを学びます。

「ちいさなうさこちゃん」は、読み聞かせに最適な絵本です。親子で一緒に読むことで、絵本の中の物語だけでなく、読むことの楽しさや、共に過ごす時間の大切さを共有できます。ディック・ブルーナの温かくも力強いメッセージは、子どもたちにとって心に残るものとなるでしょう。

福音館書店から出版されているこの絵本は、幼い子どもたちが世界との最初の接点として最適な作品です。シンプルながらも深いメッセージ、そして愛らしいキャラクターは、子どもたちの心にやさしく寄り添い、成長の一助となります。「ちいさなうさこちゃん」は、子どもたちにとって、日々の生活の中で新しい発見をする喜びを教えてくれる絵本です。

おやすみなさい おつきさま
おやすみなさい おつきさま
出典:わが家の本棚
書名おやすみなさいおつきさま
発刊評論社
発刊年1979年9月1日
マーガレット・ワイズ・ブラウン
クレメント・ハード
せた ていじ

「おやすみなさい おつきさま」は、マーガレット・ワイズ・ブラウンによる文とクレメント・ハードによる絵で、日本語訳は評論社から発行されている児童図書館・絵本の部屋シリーズの一冊です。この絵本の原書が、1947年にアメリカで初版が発行されて以来、世界中の子どもたちに愛され続けている不朽の名作です。

物語は、就寝前の静かな時間に、小さなウサギが周りのものたちに「おやすみなさい」と言っていく様子を描いています。部屋の中の物から始まり、窓の外の広い世界へと、おやすみの挨拶は広がっていきます。このシンプルで心温まる物語は、子どもたちに安心感を与え、穏やかな眠りへと誘います。

クレメント・ハードの美しいイラストは、物語のやさしい雰囲気を完璧に捉えており、読む人を魅了します。淡い色使いと愛らしいキャラクターの表情は、子どもたちだけでなく、大人の心にも深く響きます。

「おやすみなさい おつきさま」は、就寝前の読み聞かせに最適な絵本です。読むたびに、親子の絆を深める時間となり、子どもたちにとって忘れられない思い出となるでしょう。また、この絵本は、日常の中で見過ごしがちな小さなものへの感謝の気持ちを思い出させてくれます。

日本語訳も、原作の魅力をそのままに、やさしく美しい日本語で表現されています。読むたびに新しい発見があり、何度読んでも飽きることがない、世代を超えて愛される絵本です。

「おやすみなさい おつきさま」は、世界中で愛される理由があります。その理由は、シンプルながらも深いメッセージと、心を温めるイラストにあります。この絵本を通じて、子どもたちは愛と安心感を学び、大人は子ども時代の純粋な心を思い出すことができるでしょう。

おやすみなさいのほん
おやすみなさいのほん
出典:わが家の本棚
書名おやすみなさいのほん
発刊福音館書店
発刊年1962年1月20日
マーガレット・ワイズ・ブラウン
ジャン・シャロー
いしいももこ

「おやすみなさいのほん」は、子どもたちの就寝時にぴったりの絵本で、マーガレット・ワイズ・ブラウンの温かい文と、ジャン・シャローによる柔らかなイラストが特徴です。この絵本は、夜の静けさと安らぎをテーマにしており、子どもたちを優しい眠りへと誘います。

物語は、夜になり眠りにつく準備をするさまざまな動物たちと、彼らが住む自然の風景を通して展開されます。読み進めるにつれて、子どもたちは森の中の動物たちや、夜空を飛ぶ鳥たちが、それぞれの「おやすみなさい」の時間を迎える様子を見ることができます。この繰り返しのリズムは、子どもたちに安心感を与え、心地よい眠りへと導きます。

ジャン・シャローのイラストは、物語の穏やかな雰囲気を完璧に捉えています。彼の描く動物たちは愛らしく、夜の自然の美しさを優しく表現しています。イラストからは、夜の静寂と美しさが感じられ、子どもたちの想像力を豊かにします。

「おやすみなさいのほん」は、就寝前の読み聞かせに最適な絵本です。親子で一緒に読むことで、日々の忙しさから離れ、ゆったりとした時間を過ごすことができます。また、この絵本は、子どもたちに自然の中で生きる動物たちへの理解と愛情を育むきっかけにもなります。

福音館書店から出版されているこの作品は、世界中で愛されるマーガレット・ワイズ・ブラウンの数ある絵本の中でも、特に心温まる一冊です。子どもたちにとって、夜の時間が持つ穏やかさと美しさを教えてくれる「おやすみなさいのほん」は、毎晩の読み聞かせに加えたい絵本の一つです。

おおきなかぶ
おおきなかぶ
出典:わが家の本棚
書名おおきなかぶ
発刊福音館書店
発刊年1966年6月20日
A.トルストイ
佐藤 忠良
内田 莉莎子

「おおきなかぶ」は、ロシアの民話を基にした絵本で、A.トルストイの原作を、内田莉莎子が翻訳し、佐藤忠良がイラストを手掛けています。1966年に福音館書店から発刊されたこの作品は、力を合わせる大切さと、家族の絆を描いた心温まる物語です。絵本の中で繰り返される「うんとこしょ、どっこいしょ」というフレーズは、読む人にリズム感を楽しませ、子どもたちの記憶に残りやすい魅力的な要素となっています。また、佐藤忠良のリアリズムあふれる絵は、物語の舞台であるロシアの風土や文化を色濃く反映しており、読者を異国情緒あふれる世界へと誘います。

この物語は、一人のおじいさんが植えたかぶが、想像を絶するほど大きく育つところから始まります。おじいさんがそのかぶを引き抜こうとするものの、どれだけ力を入れても動かすことができません。そこで、おばあさん、孫、犬、猫、そしてねずみまで、次々と力を合わせてかぶを引き抜こうと奮闘します。

この絵本の魅力は、シンプルながらも心温まるストーリーと、登場するキャラクターたちの協力する姿にあります。物語を通じて、困難に直面したときには、家族や友達、さらには思いもよらない助け手と力を合わせることの大切さを子どもたちに教えてくれます。

絵は、佐藤忠良によるもので、彼の描くキャラクターたちは表情豊かで、読む人を物語の世界へと引き込みます。色彩は鮮やかで、ロシアの田舎を思わせる背景が、物語に深みを加えています。

「おおきなかぶ」は、読み聞かせに最適な絵本です。幼い子どもたちも楽しめるリズミカルな文章と、繰り返されるフレーズは、子どもたちが自然と物語に参加するような感覚を味わえるでしょう。また、この絵本は、協力の精神や家族の絆の大切さを伝える素晴らしい教材となります。

福音館書店から出版されている「おおきなかぶ」は、世代を超えて愛され続けるクラシックな絵本です。子どもたちにとっては、読むたびに新しい発見があり、大人にとっては、かつて自分が子どもだった頃の記憶を呼び覚ます懐かしい一冊となるでしょう。

わたしとあそんで
わたしとあそんで
出典:amazon(わが家の蔵書は貸し出し中)
書名わたしとあそんで
発刊福音館書店
発刊年1968年8月1日
マリー・ホール・エッツ
マリー・ホール・エッツ
よだ じゅんいち

絵本「わたしとあそんで」は、マリー・ホール・エッツによる世界傑作絵本シリーズの一冊です。この絵本は、原っぱにやってきた女の子が、ばったやかえる、うさぎやしかと遊ぼうとするものの、彼らを捕まえようとすると逃げてしまうという物語です。誰も彼女と遊んでくれないため、女の子は池のそばに座ってじっとしていました。すると、逃げていった動物たちが戻ってきて、しかは女の子の頬をなめてくれるなど、彼女と楽しく遊び始めます。この絵本は、32ページからなり、日本語で書かれています。

この物語は、小さな動物を追いかけると逃げてしまうという、幼いころ誰もが経験するであろうシチュエーションから始まります。しかし、追いかけるのをやめてじっと待っていると、新しい世界が開けるというメッセージを伝えています。ラストの幸せな情景は、子どもたちの心を強く捉え、静けさの中に水の音や鳥の声が聞こえるような、パステルカラーで描かれた美しいイラストが特徴です。

マリー・ホール・エッツの作品は、幼いころの関心事を敏感に捉え、子どもの目線で世界を描いています。この絵本は、友だちを作ることの大切さや、自然とのふれあいを通じて、子どもたちに優しさや純粋さを伝えることを目的としています。

読者からは、絵が優しい筆使いで、女の子や動物たちの優しさや純粋さが伝わってくると評価されています。子どもはもちろん、疲れた大人にもやさしさを与える本として、多くの人に愛されています。

三びきのやぎのがらがらどん
三びきのやぎのがらがらどん
出典:わが家の本棚
書名三びきのやぎのがらがらどん
発刊福音館書店
発刊年1965年7月1日
北欧民話
マーシャ・ブラウン
せた ていじ

「三びきのやぎのがらがらどん」は、ノルウェーの民話を基にした絵本で、世界中の子どもたちに愛されています。この物語は、食べ物を求めて山の向こう側へ渡ろうとする三匹のやぎと、彼らの行く手を阻む橋の下に住む恐ろしいトロルの対決を描いています。マーシャ・ブラウンによる鮮やかなイラストが物語に命を吹き込み、読む者を魅了します。

物語は、最も小さいやぎが最初に橋を渡ろうとするところから始まります。トロルはやぎを食べようとしますが、やぎは「もっと大きな兄弟が後から来る」と言ってトロルを説得します。このやり取りは、次のやぎ、そして最も大きなやぎにも繰り返されます。最後に現れる最も大きなやぎは、トロルとの戦いに勝利し、兄弟たちは安全に山の向こう側へと渡ることができます。

この絵本の魅力は、単純ながらも強いメッセージにあります。それは、知恵と勇気をもって困難に立ち向かえば、大きな障害も乗り越えることができるという教訓です。また、物語の繰り返しのパターンは、子どもたちにリズム感を教え、記憶に残りやすい構造となっています。

マーシャ・ブラウンのイラストは、この古典的な物語に新たな生命を吹き込んでいます。彼女の描くやぎは愛らしく、トロルは恐ろしいながらもどこか憎めないキャラクターとして表現されています。色彩豊かで、動きのあるイラストは、子どもたちの想像力を刺激し、物語の世界へと引き込みます。

「三びきのやぎのがらがらどん」は、福音館書店から出版されており、世界傑作絵本シリーズの一冊として、幼い子どもたちから大きな人気を集めています。読み聞かせに最適なこの絵本は、親子で共有する楽しい時間を提供し、子どもたちに勇気と知恵の大切さを教えてくれるでしょう。

パンはころころ・おだんごぱん
おだんごぱん、パンはころころ
出典:わが家の本棚

「パンはころころ」と「おだんごぱん」は、共にロシアの民話を原作としながらも、それぞれの作家の個性が光る絵本です。同じ物語の根幹を保ちつつ、異なる文化的背景とアーティスティックな解釈を加えることで、二つの作品は独自の魅力を放っています。

一つはマーシャ・ブラウンの洗練されたタッチで、もう一つはわきたかずの温かみのある絵で、同じ話から異なる感動を引き出しています。これらの絵本は、同じ物語からどれだけ多様な創造が生まれるかを見事に示しています。

パンはころころ
書名パンはころころ―ロシアのものがたり
発刊冨山房
発刊年1994年3月1日
ロシア民話
マーシャ・ブラウン
八木田 宜子

「パンはころころ」は、ロシアの民話を基にした絵本で、マーシャ・ブラウンによって美しく描かれています。この物語は、焼きたてのおいしいパンが、森を通って川を下りながら、さまざまな動物たちと出会う冒険を描いています。パンは、くまやキツネ、ウサギなど、飢えた森の住人たちに食べられそうになりながらも、賢く、そして時には幸運にも逃げ延びます。しかし、最終的には予想外の結末が待っています。

マーシャ・ブラウンの手によるイラストは、物語に深みと魅力を加えています。彼女の描く動物たちは表情豊かで、ロシアの自然の美しさを背景に、パンの旅を生き生きと描き出しています。色彩は鮮やかで、子どもたちの目を引きつけること間違いなしです。

この絵本は、ただの冒険物語ではありません。子どもたちにとっては、知恵や勇気、そして友情の大切さを教えてくれる物語です。また、読み聞かせを通じて、親子で楽しむことができる作品でもあります。物語の繰り返し部分は、子どもたちが参加しやすく、読むたびに楽しみが増すでしょう。

「パンはころころ」は、子どもたちにとって魅力的な冒険の世界を提供するだけでなく、大人にとっても子ども時代の懐かしさを感じさせる絵本です。マーシャ・ブラウンの独特なイラストと、ロシア民話の不朽の魅力が融合したこの作品は、世代を超えて愛されることでしょう。

おだんごぱん
書名おだんごぱん
発刊福音館書店
発刊年1966年5月1日
ロシア民話
わきた かず
せた ていじ

「おだんごぱん」は、わきたかずによる絵と物語で、子どもたちに愛され続ける日本の絵本です。この作品は、ロシアの民話をベースにしながらも、日本独自の風情と温かみを加えた独特の世界観を展開しています。物語は、ひとりでころころと転がっていくおだんごぱんが、森の中で出会うさまざまな動物たちとのほのぼのとした交流を描いています。

わきたかずの描くイラストは、その柔らかなタッチと愛らしいキャラクターデザインが特徴で、読む人を温かい気持ちにさせます。おだんごぱんと出会う動物たちは、それぞれ個性豊かで、子どもたちは彼らの行動やおだんごぱんとの関わりに興味を持つことでしょう。

この絵本の魅力は、ただの冒険物語にとどまらず、友情や思いやり、そして共に楽しむ喜びを子どもたちに教えてくれる点にあります。また、物語の中で繰り返される「ころころ」のフレーズは、読み聞かせの際に親子で楽しむリズム感を生み出し、子どもたちの記憶に残りやすい工夫がされています。

「おだんごぱん」は、福音館書店から出版されており、日本の絵本シリーズの中でも特に親しまれている作品の一つです。読み聞かせに最適で、子どもたちが何度も読み返したくなるような魅力が詰まっています。わきたかずの優しい世界観と、ロシア民話の素朴な魅力が融合した「おだんごぱん」は、子どもたちにとっても大人にとっても、心温まる一冊となるでしょう。

ティッチ
出典:わが家の本棚
書名ティッチ
発刊福音館書店
発刊年1975年4月25日
パット・ハッチンス
パット・ハッチンス
いしい ももこ

「ティッチ」は、パット・ハッチンスによる絵と物語で、小さな子どもたちの心に響く絵本です。この作品は、ティッチという小さな男の子が主人公で、彼が家族の中で自分の小ささに直面しながらも、自分なりの大きな価値を見出していく過程を温かく描いています。

ティッチは、自分よりも大きな兄と姉に囲まれて育ちます。彼らは大きな自転車に乗ったり、大きな楽器を演奏したりと、ティッチができないことをたくさんしています。しかし、物語が進むにつれて、ティッチは小さな種を植えることから始め、やがてそれが大きな木に成長する様子を通じて、自分自身の成長と価値を認識していきます。

パット・ハッチンスのイラストは、シンプルでありながら表現力豊かで、ティッチの感情の変化を繊細に捉えています。彼の描く明るくカラフルな絵は、子どもたちにとって魅力的で、物語の世界に引き込まれることでしょう。

「ティッチ」は、自分の小ささやできないことに焦点を当てがちな子どもたちに、自分自身のユニークな能力や価値を見出すことの大切さを教えてくれます。また、家族の中での役割や、兄弟姉妹との関係についても考えさせられる作品です。

福音館書店から出版されているこの絵本は、読み聞かせに最適で、親子で共有することで、子どもたちの自尊心を育む機会となります。パット・ハッチンスの「ティッチ」は、小さな体に秘められた大きな可能性を信じることの大切さを、温かく伝える絵本です。

まりーちゃんとひつじ
まりーちゃんとひつじ
出典:わが家の本棚(隣にいるのは、ひつじのパタポン)
書名まりーちゃんとひつじ
発刊岩波書店
発刊年1956年12月1日
フランソワーズ
フランソワーズ
与田 準一

「まりーちゃんとひつじ」は、フランソワーズによる文と絵で、岩波書店から発行されている岩波の子どもの本シリーズの一冊です。この絵本は、1956年12月1日に初版が発行され、以来、長きにわたり多くの子どもたちに愛され続けています。

物語の中心は、まりーちゃんと彼女の愛するひつじのパタポンの日常と冒険です。フランソワーズの描く温かみのあるイラストと、シンプルで心温まる物語は、読む人を優しい気持ちにさせます。まりーちゃんとパタポンの絆を通じて、友情や愛情の大切さを伝えるこの作品は、子どもたちだけでなく、大人も楽しめる内容となっています。

与田準一による翻訳は、原作の魅力をそのままに、日本の子どもたちにも親しみやすい言葉で物語を伝えています。ページをめくるごとに広がる、フランソワーズの繊細で温かみのあるイラストは、読者を優しい世界へと誘います。

「まりーちゃんとひつじ」は、読む人に夢と冒険の世界への想像力をかき立てるだけでなく、日常の小さな幸せや、身近な人との関係の大切さを再認識させてくれる作品です。1956年の初版発行から長い時間が経過してもなお、その魅力は色褪せることがありません。

今日でも、この絵本は世代を超えて親しまれ、子どもたちの読書体験の一つとして、また親子の読み聞かせの時間として、大切な役割を果たしています。心温まる物語と美しいイラストで、読む人の心にやさしい感動を与えてくれる「まりーちゃんとひつじ」は、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。

せんろはつづくよ
せんろはつづくよ
出典:わが家の本棚
書名せんろはつづくよ
発刊岩波書店
発刊年1979年2月15日
マーガレット・ワイズ・ブラウン
ジーン シャロー
与田 準一

「せんろはつづくよ」は、マーガレット・ワイズ・ブラウンによる文と、エステル・ホブラートによるイラストで綴られる、心温まる絵本です。岩波書店から出版されているこの作品は、子どもたちに無限の想像力をかき立てる旅へと誘います。

物語は、一本の線路がどこまでも続いていく様子を追いながら、その途中で出会うさまざまな風景や生き物たちを描き出します。線路は町を抜け、森を越え、山々を越えていきます。読者は、汽車が旅する壮大な景色と共に、冒険へと誘われます。

エステル・ホブラートのイラストは、詩的でありながらも子どもたちの目にはっきりと映るような鮮やかさがあります。彼女の描く風景は、各ページをめくるごとに新しい発見があり、子どもたちの好奇心を刺激します。また、マーガレット・ワイズ・ブラウンのリズミカルな文は、読み聞かせる際に親子の絆を深めるでしょう。

「せんろはつづくよ」は、ただの絵本を超え、子どもたちに夢と冒険の価値を教えてくれます。この物語を通じて、子どもたちは旅の楽しさや、新しい世界への好奇心を育みます。また、線路が続く限り、物語は終わらないことを象徴しており、子どもたちの無限の可能性を示唆しています。

岩波書店から出版されている「せんろはつづくよ」は、子どもたちにとって夢と冒険に満ちた一冊です。この絵本は、親子で共有する時間をより豊かなものにし、子どもたちの想像力を広げるきっかけとなるでしょう。

バーニンガムのちいさいえほん
バーニンガムのちいさいえほん
出典:わが家の本棚
バーニンガムのちいさいえほん
出典:わが家の本棚
No.書名発刊発刊年
1ゆき冨山房1976年6月1日ジョン・バーニンガムジョン・バーニンガム谷川俊太郎
2とだな1976年6月21日
3もうふ1976年6月1日
4ともだち1976年6月1日
5がっこう1976年6月1日
6うさぎ1976年6月21日
7いぬ1976年6月1日
8あかちゃん1976年6月21日

「バーニンガムのちいさいえほん」シリーズは、英国の著名な絵本作家ジョン・バーニンガムによる、幼い子どもたち向けの絵本コレクションです。このシリーズは、子どもたちの日常生活や感情に寄り添う、温かみのある物語と、バーニンガム特有の柔らかく表現豊かなイラストで構成されています。シリーズには、「とだな」「ゆき」「もうふ」「あかちゃん」など、さまざまなテーマを扱った作品が含まれており、それぞれが子どもたちの好奇心を刺激し、想像力を育む内容となっています。

ジョン・バーニンガムの作品は、独特の視点で子どもたちの世界を捉え、彼らが抱える小さな疑問や喜び、悲しみを優しく描き出します。彼のイラストは、色彩が豊かでありながらも洗練されたシンプルさを持ち合わせており、子どもたちはもちろん、大人も魅了されます。また、物語の中には、家族や友達との関係、自然とのふれあいなど、普遍的なテーマが織り交ぜられており、読むたびに新たな発見があります。

「バーニンガムのちいさいえほん」シリーズは、子どもたちが絵本との出会いを通じて、言葉の楽しさや読書の喜びを感じられるよう工夫されています。読み聞かせに最適なこのシリーズは、親子の絆を深める貴重な時間を提供し、子どもたちの感性を豊かに育みます。

冨山房から出版されているこのシリーズは、ジョン・バーニンガムの温かくも力強いメッセージを伝える絵本として、多くの家庭や教育現場で親しまれています。子どもたちの成長に寄り添い、彼らの心に長く残る「バーニンガムのちいさいえほん」は、世代を超えて愛され続けるでしょう。

子どもたちの身近に質の高い絵本を

子どもたちの日常で質の高い絵本をともにすごすことは、彼らの世界を広げ、想像力を育む重要なステップです。絵本を身近な存在にすることで、子どもたちは生活の中で自然と感性を磨き、思考を拓く機会を得ます。

物語や美しいさし絵・イラストを通じて、新しい視点や感動を経験することが、多様な価値観や感情の理解へとつながると思います。質の高い絵本を読むことを身近な習慣とすることで、子どもたちの成長に不可欠な、豊かな感性と生きる力を育てることができるのです。子どもたちの手の届くところに絵本を置くこと、それが質の高い絵本であることが、すべての始まりです。

親子で寝る前の本読みの楽しさ

親子で寝る前の本読みの楽しさ

寝る前のひとときを親子で本を読む時間にすることは、一日の終わりに特別なぬくもりと絆を育む素晴らしい楽しみ方です。この時間は、子どもたちにとって安心感を与えるだけでなく、物語を通じて想像力を広げる機会となります。

親にとっても、忙しい日常から一息つき、子どもの成長を身近で感じられる貴重な時間です。共に選んだ絵本を読み進める中で、親子の会話が生まれ、子どもの思考や感情を理解するきっかけにもなります。くれぐれも先に寝落ちしないようにしてくださいね。

「どう?おもしろかった?」などの感想は求めないでください(それは大人のわるいクセ)。子どもたちは、その絵本がおもしろかったら、何も言わなくても何回でも「読んで」と言ってきたり、自分で読んだりしますから。それを、まるごと受けとめてください。

寝る前の読書は、読書への興味を深める基礎を築きます。この習慣は、子どもたちにとって生涯の宝物となる読書の楽しさを知る第一歩となるでしょう。

家庭で子どもの手がすぐ届くところに本を

家庭で子どもの手がすぐ届くところに本を置くことは、子どもたちの読書への関心を自然に引き出し、知的好奇心を育む基盤を作ります。

本棚やリビングのテーブル、子どもの遊び場の隅に絵本や物語の本を配することで、子どもはいつでも自由に本に触れることができます。この環境は、子どもが自主的に読書を楽しむ習慣を身につけるのを助け、言葉の世界への旅立ちを促します。

また、親が子どもと一緒に本を選び、読む姿を見せることは、読書の価値を伝えるみちびきとなります。

家庭内に読書の環境を整えることは、子どもの想像力を刺激し、絵本の楽しみを日常生活の一部とするための重要な一歩です。

絵本の与えすぎの心配より、質の高い絵本を未来の子どもたちにつなげたい

☑ 質の高い絵本を知る|選ぶことの大事さ
☑ 絵本を買う|図書として流通することの大事さ
☑ 質の高い絵本を未来へ継承することの大事さ
☑ 子どもも大人も心豊かに生きる
☑ 絵本 与えすぎ:総括まとめ

質の高い絵本は、子どもたちの心を豊かにし、想像力を育む素敵な友達です。でも、普通の書店ではなかなか見つからないこともあります。品切れだったりとか、出版社が版を重ねなかったりとかで、書店で探しあてられないことがままあります。

大切なのは、どんな絵本が質の高い絵本かを知ること。できればリストにして持っていたいですね。そして、一般書店の絵本コーナーでさがしたり、古本屋さんをのぞいたり、インターネットで探したりして、少し手間をかけてでもそれらを見つけ出すことができたら素晴らしいです。

絵本が子どもたちの手に届くことで、彼らは新しい世界への扉を開くことができます。そして、私たちが絵本を大切にし、質の高い絵本が流通することは、出版社にとっても発刊を継続する原動力となります。

それは、未来の子どもたちにも、質の高い絵本をのこし続けられるということなのです。

絵本をたくさん与えることを心配するよりも、どうやって質の高いすぐれた絵本を見つけて子どもたちに届けるかを考えることが、とても大切なんですね。

質の高い絵本を知る|選ぶことの大事さ

質の高い絵本を知る|選ぶことの大事さ

質の高い絵本を選ぶことは、子どもたちの成長にとって非常に重要です。

第一に、どの絵本が「質の高い絵本」かを知ることが大切です。それには、何より「一般財団法人 子ども文庫の会」の季刊誌『子どもと本』を、大いに参考にしてください。『子どもと本』のページには、バックナンバーごとに紹介した絵本の書名が掲載されています。検索もできるようになっていますよ。

次に、選んだ絵本の「マイリスト」を作成します。このリストは、購入したい絵本、図書館で借りたい絵本、または友人から借りたい絵本などを書きとめておくリストです。

最後に、リストに基づいて一つ一つの絵本を手に入れていきます。これは、質の高い絵本を選ぶ過程で最も楽しい部分かもしれません。一般的な書店、オンラインショップ、古本屋、図書館など、様々な場所を探索しながら、リストに載せた絵本を集めていくことで、子どもたちの書棚を豊かな内容で満たしていくことができます。

このようにして、質の高い絵本を知り、選び、集めることは、貴重な時間です。それぞれの絵本が子どもたちにとって、あるいは自分にとって新しい世界を開く鍵となり、人生における心豊かさにつながっていきます。

絵本を買う|本が流通することの大事さ

絵本を買うことは、単に子どもたちに素晴らしい物語を届けるだけでなく、出版業界における重要なサイクルを支える行動でもあります。

出版社は、絵本が買われることで初めて事業として成り立ち、新しい作品の出版、そして既に人気のある絵本の再版など、出版のサイクルを維持することができます。このサイクルが正常に機能することで、質の高い絵本が子どもたちの手に渡る機会が継続していくのです。

また、市場での需要があると判断されれば、一度品切れとなった絵本が復刊されることもあります。これは、絵本がいかに多くの人々に読まれ、愛され続けているかの証です。復刊は、新しい世代の子どもたちにも、過去の素晴らしい作品を届ける機会を提供します。

中古本や古本を選ぶこともまた、絵本を子どもたちの手に届ける有効な手段です。新品である必要はなく、大事なのはその内容が子どもたちの心に響き、彼らの想像力や知識を豊かにすることです。中古本や古本を通じて、絶版になった貴重な絵本に出会えることもあります。

結局のところ、絵本を買うこと、そしてそれを子どもたちに届けることは、良いものを未来に継承することと言えます。質の高い絵本が広く流通し続けることで、これから先も子どもたちは新しい発見をし、想像力を発揮し、感性を高め、本を楽しみ続けることができます。

この流通のサイクルを支えるために、私たち一人一人の「絵本を買う」という行為は、とても大きな意味を持っています。

質の高い絵本を未来へ継承することの大事さ

質の高い絵本を未来へ継承することの大事さ

質の高い絵本を未来の子どもたちへ伝えていくことは、とてもすばらしいことです。

すぐれた絵本は、時間を超えても変わらず、子どもたちの想像力をかきたて、心を豊かにしてくれます。今を生きる子どもたちが大好きでたまらない絵本を、未来の子どもたちも同じように楽しめるようにすること。それはまさに、贈りものを渡すような行為なのです。

子どもたちは自分で本を選んで買うことができません。だからこそ、大人が彼らのために素晴らしい絵本を選ぶことがとても大切です。

親から子へ、祖父母から孫へ、先生から生徒へ、地域の文庫のおじさん・おばさんから近所の子どもたちへ。大人から子どもたちへの絵本の継承は、ただの本の贈り物以上のもの。子どもたちが、やがて大人になったとき、次の世代へと受け継がれていきます。それは、子どもたちの中に永続する夢を育む重要な役割を果たします。

質の高い絵本を未来へと継承することで、私たちは子どもたちに、自分たちの内面と外の世界を探求する手がかりを与えることができます。そして、それは、彼らがこの世界をより良い場所にしていくための力を育むことにもつながると信じます。

子どもも大人も心豊かに生きる

質の高い絵本を楽しむことは、子どもも大人も心を豊かにし、共に生きる喜びを深めます。すぐれた絵本は、色あざやかな絵と心に響く物語で、私たちの想像力をかき立て、新しい世界へと誘います。

子どもたちにとっては、絵本が冒険への扉を開き、感情の幅を広げ、思いやりや勇気といった価値を学ぶ機会を提供します。大人にとっては、忘れかけていた純粋な驚きや喜びを思い出させ、日常のストレスから一時的に解放してくれる癒しの時間となります。

また、親子で絵本を共有する時間は、互いの絆を深め、家族の思い出に彩りを加える貴重な瞬間です。

質の高い絵本を通じて、子どもも大人も、心豊かに生きる楽しさを一緒に味わいましょう。与えすぎて心配になるようなことは、何一つありません。

絵本 与えすぎ:総括まとめ

今回の記事の総括まとめは、以下のようになります。

✅ 絵本の与えすぎに心配するより質の高い絵本を選ぶことが大切
✅ 質の高い絵本は子どもの心を豊かにし想像力を育む
✅ 質の高い絵本を選ぶためには専門家のレビューや賞を受賞した絵本のリストを参考にする
✅ 絵本のマイリストを作成し一つ一つ手に入れていく
✅ 出版社は絵本が買われることで事業が成り立つ
✅ 品切れの本も需要が見込めれば復刊されることがある
✅ 新品でなくても中古本や古本で質の高い絵本を子どもに届ける
✅ 絵本を購入し流通させることは文化的な財産を未来に継承する行為
✅ 大人が質の高い絵本を知り選び子どもへ継承することが重要
✅ 子どもも大人も絵本を通じて心豊かに生きる楽しさを共有できる
✅ 家庭で子どもが手に取りやすい場所に絵本を置くことで読書習慣を育む
✅ 寝る前の読み聞かせは親子の絆を深め子どもの想像力を広げる

絵本との出会いは、子どもたちのイマジネーションの世界を広げる魔法のようなものです。

質の高い絵本を通じて、子どもも大人も共に心を豊かにし、想像力の翼を広げましょう。一冊の絵本が未来へとつながる橋となり、愛と知識のバトンを渡していくことを忘れずに。

この旅を一緒に楽しんで、子どもたちにとってかけがえのない宝物を残していきましょう。

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